2014.03.02

草津 万代鉱源泉

草津温泉の中には、いくつもの源泉が湧出しておりますが、その中の1つ「万代鉱源泉」のお話をさせていただきたいと思います。
草津の源泉の中では、比較的新しい源泉で1970年に硫黄高山の坑道から噴出し、当時は温泉の噴出を抑制できなかったことや、硫黄鉱山の石油精製の副産物から精製できる事になったことによる、需要低下もあって廃坑となった後は、小殺生地区に垂れ流されてもいました。
源泉場所も湯畑を中心とした、他の源泉とは異なり、草津温泉街の郊外にあります。
ただし湯元付近は危険なため、立入禁止区域になっています。 


万代鉱源泉湯元
草津温泉街から白根方面を見ると、もうもうと煙が立ち上がっている箇所があると思いますが、そこが湯元。湯煙というよりは噴煙、噴気といった感じです。
湧出した当時は、噴出した温泉を抑え込む技術がなかったため、そのまま流していましたが、 今は万代鉱源泉は草津温泉の中でも、無くてはならない源泉となっております。
その特徴は豊富な湯量と温度。湧出量は草津の源泉の中でも1番多い毎分約6,200リットル。そして源泉温度は、なんと約95度・・・ほぼ熱湯です。
この豊富な湧出量と高温の湯温を活かして考えられたのが、熱交換と道路の融雪化になります。 


熱交換プレート
この高温の万代鉱源泉を大型のプレート式熱交換機(チタン製)を使用し、水道水との熱交換で約55度まで湯温を下げた温泉をホテルや旅館、温泉施設などに配湯しています。
そして温められた水は約60度となり、温水として水道と同様に町内の各家庭やホテル、旅館などに給湯されています。
※1974年万代鉱温泉給湯開始、1976年温水通水開始 草津温泉は雪国ですので、どうしても道路が凍ってしまったり、積雪のため冬の道路は危険になってしまいます。
私たち雪国で育った者にも雪道の運転はイヤなもの。しかし草津では、幹線道路に埋設された管内を、この万代鉱温泉を用い流す事によって、道路の雪を溶かし、比較的安全に雪道を走行できるようになっているんです。
※1976年温泉事業融雪事業化(融雪事業には ・プレート式熱交換機利用の融雪 ・直接温泉を利用しての融雪 ・排湯熱を利用しての融雪などがあります) さらには、万代鉱源泉の温泉熱を利用した公共施設(小、中学校やプールなど)の暖房なども行っております。
このように草津町では温泉を大切な資源として、自然エネルギーを最大限に有効活用し、エコロジーに配慮しています。

またこれは、温泉自然湧出量日本一の草津温泉ならではの事業です。
この「万代鉱源泉」は、御座之湯(木之湯、石之湯各万代鉱源泉浴槽)、西の河原露天風呂(男女共)大滝乃湯(男女大浴場内打たせ湯、男性合わせ湯内の打たせ湯、掛け湯)にて、もちろん掛け流しで使用しております。
草津の源泉の中では極めて強酸性の源泉で、PH約1.50、比較的刺激度の高い温泉です。
期待される効能は、神経痛、関節痛、うちみ、やけど、美肌など・・・是非この「万代鉱源泉」にご入浴ください。

皆様のご来館を心よりお待ちいたしております。
次回は、草津温泉観光・文化碑、歴史めぐりを題材にお話をさせていただきたいと思います。

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